今回は玄関の中庭スペースの造花アレンジのご依頼です。
以前からこちらのスペースや、その他観葉植物などでお世話になっているお客様で
床面のトピアリーや白鳥アレンジと床面のアンティークレンガは前回設置させてもらいました。
白鳥の器などは、お客様が探してくださったものでなので、お客様のアイディアも詰まっています。
玄関正面のガラスで隔てたフリースペースです。生活に直接必要な場所ではないので、人の出入りはありません。
演出過多になりすぎると、時が止まったようなイメージになってしまいます。
造花とはいえ、葉が風になびくような、そんなイメージで設置していきます。
造花の装飾は、高層階の展望の良さを活かし透け感を出すことを前提に組みます。
明るさと風通しを確保したい為、最近主流の壁面緑化とは違ったアレンジになりました。
この手法のアレンジは植物の生態的さが際立つ反面、立体的なボリューム感を出すのが大変。
太めの枝物をベースにして接地面に凹凸を作り、その上から つるが這うような構造にします。
これは良い外観にする為のアイデアではありますが、つる性植物の本来の育成条件と重なる部分です。
枝を曲げて奥行き感を出します
「針金かけ」盆栽で使う手法です。針金も藤つるをイメージした加工のものを使用しているので
相当近くで見ない限り気にならないです。
壁面から床面にアイビーが侵食している様子も取り入れます。
つる性の植物は先端を少し上向きに曲げてあげると生きている感が出ます。造花でもひと手間加える事で、
成長プロセス的なストーリーを感じ、ぐっと植物らしさが芽生えます。
本来大抵の植物は、その土地環境などの外的要因に最も適した種類のものが、その土地の所有権を勝ち取ります(元気=美しく育ちます)
造花はそういった条件を無視して設置できることがメリットにもなりますが、依頼主さまとのコミュニケーションのなかで、
なぜその場所に植物を置きたいかを紐解いていくことで、造花の不自然を自然に近づける事も大事だと改めて感じました。
どうもありがとうございます。